発電所の概要は以下の通りです。
別荘の跡地に設置したこの発電所。日当たりが悪く、かつ、1年を経過し“発電量が減っている気がする”らしいのです。
・2014年5月に設置
・野立て方式
・産業用40kW
・モジュールは三菱電機製
・別荘地の一角に位置し、雑木林の中で日当たりはかなり悪い
・(13時には付近の樹木のせいで影が掛かる)
・遠隔監視システムは付いていない
やはり目を惹くのは、「たった1年4ヶ月で、よくぞここまで」と言いたくなる汚れです。
特に汚れているのが、特定の木のそばにあるモジュールです。(葉の形、どんぐりが落ちていたことから、コナラと推測。)
コナラが樹脂を発散しているのか、モジュールがベトベトになり、驚くほど汚れています。(その後、黒カビではないかという説も出ています。)
一般的に見て、野立て設置の場合、パネル角度が10度以上あればそれほど汚れることはありません。
パネル洗浄を積極的に推奨するむきもありますが、新エネルギーサポーターとしては、「洗浄が必要なケースは多くない」と考えています。
火山灰など特殊な場合は別ですが、通常はパネル洗浄をしても5%も発電量が戻れば良い方でしょう。
例で見てみましょう。
50kWで年間200万円程度の売電金額の発電所の場合、単純に12で割ると月額20万円もありません。この5%が汚れでダウンしたとしても、1万円程度。10%でも2万円程度です。
・システム容量 :50kW
・売電金額(1年間) :約200万円/年
・・・・・(1ヶ月) :約20万円/月
・汚れでダウン5%の場合 :1万円/月
・汚れでダウン10%の場合:2万円/月
パネル洗浄しても効果は永続的ではなく、1ヶ月もすれば元と同じように汚れます。
そう考えると、パネル洗浄で戻る損失は(2ヶ月洗浄効果が持ったとして)2万円~4万円程度。それ以下の費用でパネル洗浄できるなら「やった方が良い」と言えます。
極端な話、コストがかからないのであれば洗浄したほうが良いのは当たり前です。(パネルに悪影響を与えない方法が必要です!)
しかし、コストが発生する以上は、それに見合った効果が得られるのかどうかは考えるべきです。新エネルギーサポーターとしては、多くのケースにおいて効果がコストに見合わないのでは?と判断しています。
しかしながら、今回の発電所は汚れがひどいので、大幅に発電量が落ちている可能性があります。ただし、目視で汚れているように見えても実はそれほど発電量は落ちていない、ということもあります。
つまり、正確なところは遠隔監視システムで“継続的”に発電量をチェックすること。また、発電所の一部を洗浄し、洗浄していないところとの比較をしてみないと分からないのです。
残念ながらこの発電所は遠隔監視システムが付いていませんので、まずはご提案させて頂くことからスタートになりました。
補足ですが、遠隔監視システムを付けていない発電所は、『目をつぶって車を運転している』のと同じです。今はたまたま事故を起こしていないかもしれませんが、そのうち大事故を引き起こすことは、ほぼ間違いありません。
事故を起こしてからでは後の祭り。遠隔監視システムは「太陽光発電所にとって最低限必要なもの」とご認識ください。