太陽光発電O&Mブログ

「太陽光パネルも壊れる」という不都合な真実

太陽光パネルは一度設置してしまえば可動部分がないので「そうそう壊れるものではない」と思われがちですが、実際には結構壊れています。

太陽光発電所のO&Mを実際にやっていれば、パネルは結構壊れる、というのは周知の事実です。

1MWの発電所で年次点検すると、複数枚のパネルの故障を発見することが普通です。

メーカーやロットにより故障枚数は大きく変動するので、一概に何%という言い方はできませんが、激安パネルほど故障しやすいという傾向はあります。

内部が発熱したことが原因でガラスが割れた例

内部が発熱したことが原因でガラスが割れた例

一般的な太陽光発電所に使われるシリコン系パネル(単結晶、多結晶)が壊れる理由としては、以下のような原因が考えられます。

・パネル内のセル間の配線にはハンダが使われている。太陽光を直接受ける日中と夜間で寒暖の差が激しく、それが繰り返されることでハンダにヒビ割れが入る。ヒビ割れが入ると電気が通らなくなったり、通りにくくなったりする。通りにくくなると電気的抵抗となり発熱する。

・外部からの飛来物がぶつかりガラスが割れる(カラスや人のいたずら、風災等)。

・パネル製造時に微細なゴミが配線の接合部分に入り込み、それが電気的抵抗となり発熱してガラスが割れる。

・なんらかの要因で、セルにマイクロクラックが入る。当初は大きな影響は出ないが、数年経つと発電量を下落させる可能性が高い。
(マイクロクラックは、パネルの製造時、輸送時、施工時、O&M時のいずれのタイミングでも入る可能性がある。)

・パネルの部材がそもそも20年もたないものが使われている。激安パネルのバックシートなど、長期性能に不安がある安価な部材を使用している場合がある。

マイクロクラックが成長すると目に見えるスネールトレールになる

マイクロクラックが成長すると目に見えるスネールトレール(ナメクジがはったような跡)になる

太陽光発電所を構成する要素の最小単位である、太陽光パネルだけを取り上げて故障の原因をざっと書き上げましたが、まあ壊れる原因はたくさんあります

他にもパワコンや架台、基礎、造成、集電箱、接続箱、電気配線、系統連携など、構成要素はさまざまあり、それぞれ壊れる原因があります。

壊れて当たり前と言っても言い過ぎではないでしょう。
(太陽光発電に限らず、どんなものでも壊れます)

太陽光発電所は「壊れないこと」を前提に運用すると必ず失敗します。
20年間売電を続けたいと思うならば、「壊れること」を前提に運用することをお勧めします。

2017/11/28 エナジービジョン 代表取締役 奥山 恭之

一覧へ戻る